高麗人参はその「人参」に含まれる「人」という文字からもわかるように形が人間の姿に似ており、古くから中国や韓半島では生命と健康を守ってくれる最高の薬草として知られていました。 ウコギ科の多年草で、原産地は中国の遼東から朝鮮半島にかけての地域といわれています。中国東北部やロシア沿海州にかけても自生します。 英語では「Ginseng」、おなじみの野菜の人参は「Carrot」と表現することからわかるように二つはまったく異なる植物です。ちなみにハングルでは「インサム」と発音します。 高麗人参は学名「Panox Ginseng(ギリシア語で万能薬)」といい、ウコギ科の多年草で、ウド、タラノキ、ヤツデの仲間です。一方野菜の人参はセリ科の1、2年草です。 日本では御種人参(オタネニンジン)とも呼ばれますが、その名は八代将軍徳川吉宗が対馬藩に命じて韓半島で種と苗を入手させ、試植の後、各地の大名に御種を分け与えて栽培を奨励したことに由来しています。 かつては日本では朝鮮人参と呼ばれていましたが、現在の韓国では朝鮮という表現が忌避されるため「薬用人参」と呼ばれることもありましたが、「薬用」と称することが薬事法に接触するという行政指導により、「高麗人参」という表現が定着するようになりました。 また、生育環境や栽培地、加工形態によってさまざまな名前があります。 今では世界中で健康食品や補助栄養食品として、お茶や濃縮液やタブレットが、あるいは生のままや乾燥させたものなどが利用されています。 |